メータ 『ロマンティック』

『暑さ寒さも彼岸まで』。20日春分の日が仕事だったので本日、義父の墓参りへ・・・。人出は少ないのでは、とのかすかな願いも叶わず・・・。この時期、駐車場へも進入禁止！！　足の悪い義母を連れて行くには、とっても不便になってしまいました。
『名古屋市、なんか対策考えろ！！　みんな元気で地下鉄使って行ける人ばかりではないいぞ！！』と不満をぶちまけても・・・。

　　　　　　　　
今日はちょっと薄曇でしたが、スッカとした演奏を聴きたく取り出したレコードがこれ。初めて聴いた『ロマンティック』。何故このLPを選んだのか・・・年少の頃からへそ曲がりの私だからこその選択！！　この当時、もっとも『ドイツ的』響きとは遠い演奏・・・と思う。
1970年4月、ロスアンジェルス、UCLAのロイス・ホールでの録音。レイ・ミッシェルと私が敬愛してやまないワグネリアン・エンジニア、ゴードン・パリーの録音。メータ＆LAPO絶好調時の記念的録音。
『ブルックナー開始』からして神秘性がない。とにかく明るい。サンタモニカ海岸の朝を思わせる、清々しささえ感じる爽やかな開始です。
ウィーンでアバド等と共にスワロフスキーに師事したメータ。ヨーロッパ的な響きは皆無・・・と感じます。この演奏をして『アメリカ的』な響きと言うのでしょうか。高い尖塔を持つ教会の風景画でなく、ダウンタウンのビル群の風景写真が目の前に浮かびます。西海岸のどこまでも透き通る紺碧の空へ伸びるビル群。
全曲を通して、華やかさと清々しさを部屋に呼び込んでくれる素晴らしさがあります。そこは、ヨーロッパではなくアメリカ西海岸の輝き。ブルックナーからこれほど輝かしい『キラキラ』した眩い響きはなかなか聞かれません。解釈も『スッパ』と切れ味のある気持ちよさ！！
『ねばり』がないのも、ベタベタ感を持ち込まず素晴らしいのでは・・・。
オーケストラは容赦なくガンガン鳴ってきます。左右に分かれた金管群が凄い音量で迫ってきます。地響きがするような低弦群。パリーに脱帽。

多くの評論家が書いているこの曲のイメージのギャップに戸惑いましたが、この後聴いた多くの演奏とは明らかに違う少し・・・いや、とっても異質な演奏の1つであることを知るのに多くの時間はかかりませんでした。年齢のためか、最近遠ざかっていたLPですが久しぶりに聴いてなかなかいけてる・・・、いやとってもいけてる演奏だと思います。
N・Yへ転籍後のメータ、この切れ味がなくなった様な・・・。大人になったんでしょうか？？ある意味悲しいような気がします。
あっ、そうそう最近の３０代指揮者、多くの人が優等生的演奏が多いような感じですが・・・。


うっ、今日は、ちょっと過激でしたか・・・。

コメント 4

こんにちは。
メータ盤は、知りませんでした。ジャケットが、いかにもＬＰ的でエエですね。昔はこんな感じの風景写真が沢山ありました。美しいです。
しかし、演奏はアメリカンなんですねえ・・・・。面白そうですねえ。聴いたみたいなぁ。
メータに僕の大好きな「ロマンティック」があったとは迂闊でした。探してみたいと思います。
by mozart1889 (2008-03-24 15:49) 

この組み合わせではマーラーが未だに気になっています。ロスフィルの特徴にこの指揮者の個性が加わったのでしょう。

十年ほど前に聞いたこの指揮者とヴィーナーフィルハーモニカーのブルックナーの第八は、今まで実演で聞いたブルックナー演奏の中では最高峰でした。今後ともその組み合わせの演奏を越えるものを誰が演奏出来るかと考えます。

ああしたたっぷり豪放かつたおやかで実体感のある鳴らせ方は、現存する指揮者ではもうないような気がしています。
by pfaelzerwein (2008-03-24 23:45) 

mozart1889さん
コメントありがとうございます。
ジャケに騙されてはいけません。
この演奏のジャケットは・・・、ビーチパラソルの並ぶサンタモニカの海岸かLAダウンタウンの写真が似合います。
この演奏、CD化されていないんでしょうか？HMVサイトを見ても載ってません。VPOとのブルックナー9番も・・・。
by あるべりっひ (2008-03-25 00:24) 

pfaelzerweinさん　
コメントありがとうございます。
実演でメータの素晴らしい演奏を体験されているんですね。さぞ迫力ある演奏だったのでしょう。L・Aを何度も訪れていた時期には、メータはニューヨークの人になった後でした。ヨーロッパでもメータの演奏会に接する機会がありません。めぐり合いは、難しいです。
私の8番体験で忘れられないのは、マタッチチ＆N響の演奏会です。
by あるべりっひ (2008-03-25 00:35)