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『悲愴』  マゼール&VPO [クラシック]

汗ばむような・・・、とにかく今日は暑い日でした。
歳を重ねると、脳内フラッシュメモリーの調子が悪くなるようです。うっ、幼い頃からあまりよくなかったような・・・、忘れ物をしてよく担任に怒られていた記憶が・・・。
私の脳内フラッシュメモリーは、『不良品』! 
製造元にクレームをつけたら、『保障期間切れ』とのこと・・・・。
そんな訳で、いつからこのLPが手元にあるのか不明です。聴いた記憶も・・・。とにかく古いLPで、初期盤です。英盤で言うところの『ED2』時期の物です。

      CS6409.jpg
ロリン・マゼール&ウィーンPO  1964年ゾフィエン・ザールでの録音。E・スミス&J・ブラウンによるDECCA録音。これは、DECCAのアメリカ発売分『LONDON』レーベル盤。

1930年生まれのマゼール、34歳の時の全開バリバリの快演。
冒頭は、いつも沈鬱で暗いロシアの雰囲気を思わせるのに・・・。重く暗い雰囲気は全く無く、とにかく明瞭にハッキリとメロディーを奏で、華やかさがこの曲にあったことを教えてくれます。VPOがこれほど力強く華麗な音を奏でることは、それほど多くはないと思いますが・・・。
ワルツにおいても、華やかな舞踏会での雰囲気が素晴らしい。明と暗が交差するこの楽章から、影を感じさせないストレート。インターナショナルなワルツを明示しているように感じます。
遠くから近づいてくる行進曲。喜びに満ちたような楽しげな曲・・・、この楽章をこのように感じたのは初めてです。徐々に音量を上げ、終盤は部屋が大音響に満たされます。
透明で透き通る弦楽合奏。不安が絶望へと進行するこの楽章からは、希望が現実へと進行しているように感じます。若き指揮者が、夢と希望を持ってウィーン・フィルハーモニーを指揮した時この演奏が現実になったのでしょう。1つのスコアからいろいろな演奏があるでしょう、これほどこの楽章から『明日』を感じたことはありません。
伝統的な演奏からは、最も遠い処にある録音の一つだと思います。不思議に思うのは、この頃のDECCAは積極的にこのように斬新な演奏解釈を録音していたことです。伝統に則った老練な演奏を残すのも大切なことでしょうが、このように艶やかで若さあふれる演奏も大切な記録だと思います。

とにかく、VPOが凄い。甘さなど微塵も無く、硬質な響きと大音量で圧倒します。私のこのLP、とにかくカッティング・レベルが高く強弱の対比が・・・、なかなかこんな凄いLPにはめぐり合えません。ML1のヴォリューム・レベル位置が通常の状態だと大変なことになります。

さて、また北国へ出張!!
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コメント 2

mozart1889

いやぁ、このマゼール/VPOの「悲愴」はエエですね。斬新、新鮮、覇気一杯、若武者の爆演とでも云いましょうか。
若きマゼールがやる気十分で、しかもVPOをドライブしきっているところがスゴイです。
LPではDECCAの廉価盤の、STS盤で聴いていました。懐かしいです。
今は、廉価盤になったCDでチャイコフスキー全集を聴いてます。
若い頃もマゼールは面白いですね。
by mozart1889 (2008-03-23 09:40) 

あるべりっひ

mozart1889 さん
コメントありがとうございます。
この頃のマゼール面白いですよね!
シベリウスなんかもなかなかどうしてもっと注目されても良い様に思います。
STS盤・・・懐かしいですネ。あと英盤の『Ace of Diamond』盤も良いです。再発でもオリジナルと同じスタンパー使った物もったりして・・・。これがお買い得。EMIも廉価に移行直後の盤に同様な物があったりします。
by あるべりっひ (2008-03-24 00:17) 

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