シューマンの4番 [クラシック]
久しぶりにシューマン交響曲第4番を取り出しました。名演と言えば、フルトヴェングラー&ベルリンPOの録音。でも今日取り出したのはオーケストラが同じベルリンPO、でもカラヤンではありません、この録音が発売された83年当時マーラー録音で売り出し中のテンシュテットです。カラヤンの後継者との声も聞こえていたと思います。
録音はベルリンのフィルハーモニー・ホール、1980年4月、J・ウィランのプロデュース、N・ボイリングが録音エンジニア。EMIデジタル初期の録音です。
ゆったり張り詰めた緊張感のある第一楽章の序奏、メロディーラインをゆっくり奏でて行きます。主題の提示と同時に爆発するオーケストラ、一気にテンポを上げこれでもかと燃え上がる感情、圧巻です。叙情的なメロディーラインでは、急激にテンポを落とし大きく翼を広げたように歌います。そして、大きくテンポを動かしながらコーダへ・・・圧倒されます。
つづく第二楽章では、非常にゆっくりと親しみやすいメロディーを歌っていきます。第三楽章は、急速なパッセージは誰よりより早く爆発的な音量で、緩やかなパッセージは誰よりもゆっくりと愛しむように優しく奏でます。
フィナーレを告げる圧倒的な金管群、大きく動くテンポ、音量の急激な変化に一糸乱れぬオーケストラにただただ聞き入るのみ。コーダ直前の大きなルフトパウゼ、たたみかけるように全曲を終了します。この演奏がスタジオ録音なんて信じられません。即興性が大きく編集をしているようには思えません。フルトヴェングラーの録音の様に一発取りでしょうか、まるでスタジオライブを思わせます。本当のライブではもっと強烈な演奏をこの曲で行っていたのでしょう。
発売当時、『ベルリンPOを野放しにした』『シューマンのオーケストレーションが台無しだ』など愚評されたものです。しかし、これほどシューマンの美しいメロディーを表出していた演奏は多くなかったと思います。
録音も音が散漫になりやすいフィルハーモニーでの収録に関わらず、前面に弦楽器群、その後方に距離感を持った管楽器群、伝統のEMIサウンドはまだ健在でした。この後急激に取って付けた様な録音へ堕落していきます。
こんにちは。
ジャケット写真にうっすらと見える、丸い線。
レコードディスクの跡でしょうか?
あるべりっひさんが、レコードが反らないように、しっかりと、ぎっしりと、隙間なく、レコードを棚に収納していることを、伺わせる線ですね。
CDには、こういう日常の気遣いがないです。
その分、鑑賞する意気込みも変わってくる気がします。
あるべりっひさんの家のレコードは幸せ者ですね!
by (2007-05-29 07:26)
kotaro さん こんばんは。
>レコードディスクの跡でしょうか?
そのとおり、レコードの跡です。特に英EMIのジャケットは、薄いので跡が残ります。
私の持っているレコード、新しい物でも20年以上も前の物ですからどうしても跡が残ってます。
最近は、ホワイトジャケットへ入れ替えてオリジナルジャケットも綺麗に保管できるように心がけています。
CDは、どうも取り扱いが煩雑になっていけません。
by あるべりっひ (2007-05-29 22:53)