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聖地バイロイト [クラシック]

今がシーズン真っ盛りのワーグナーの聖地バイロイト。
以前、この聖地バイロイトへ巡礼の旅に出かけました。
もちろん高価でレアなチケットなど購入できるでもなく、聖堂の前で記念写真だけでもとの気持ちで巡礼の旅に出かけました。

ところがこの時期、聖堂の中を見学できると聞きもちろん参加!!感動で多分、涙目になっていたと思います。
聖堂の中へ案内され客席へ、訳の判らない『言葉(ドイツ語)』も固有名詞は判ります。『トスカニーニ』『フルトヴェングラー』『クナッパーツブッシュ』『カイルベルト』『カラヤン』・・・。落ち着きを取り戻し、周りを見る余裕が出てきました。電気が1つ切れているのを発見、客席の床もどこかの工事現場のような無加工の床。どこかの国の劇場のように立派では決してありません。座席も『こんなの』と言うような小さなもので、これで『楽劇』鑑賞は・・・。でもここは聖地、チケットがあれば文句なしに聞き入っているのでしょう。
ここで気になるのが、『Orchestra Pit』ならぬ『BOX』!!気になるではありませんか、客席から見えない100人以上のオーケストラ。ほんとに客席からは、覆いしか見えません。最前列へ行き覗き込んでも見えません。ところがここでなんと『BOX』へ案内してくれると言うのです!!

     狭い!   天井も低い!
あの大きなアングロサクソンの人達は大丈夫なのだろうか??ここで100人以上・・・、信じられません。バイオリンの2列目からは聖堂の天井を見られますが他の楽団員はほとんど『BOX』に監禁状態です。唯一、『指揮席』と一段高い位置にある『コンサートマスター席』の位置からは舞台を見ることができます。そうです、なんと私こともあろうに『指揮台の椅子』に座ってしまいました。有名指揮者が座った椅子です。この椅子は開場以来替えていないとのことですから、ひょっとするとワーグナーも・・・聞いてませんが。間接的に私のお尻はワーグナーのお尻に触れました!(大きな思い込み)
私が巡礼に出かけた時には聖堂内のどこにも『エアコン』が設置されていないため、客席から見えないオーケストラメンバーは『T-Shirt』に『短パン』で演奏する人がほとんどだと言っていました。とにかく中は暑いそうです。

客席側からの覆いで左右のバイオリン群を隠すようになっており、また舞台側からの下向きに角度の付いた覆いが伸びてきており、2段目以降の低弦群を隠しています。管楽器群は完全に舞台の下に位置します。
これでは、この中ではほとんど音は響かないでしょう。特に階段状に下った『BOX』の一番下に居る金管群はデッドな音で聞こえると思うのですが。それが聖堂内に開放されたときどんな音になるのか是非聞いてみたい気持ちにはなりました。
いまだに2回目の巡礼に出かけられませんが。気持ちは今も一緒です。是非『指輪』全曲をここで、聖地バイロイトの聖堂、祝祭劇場で聞きたいと思っています。


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コメント 8

佐々木真樹

初めまして。euridiceさんのところからお邪魔しました。
バイロイト。やはり私にとっても「聖地」です。
シーズンに行くのが夢なのですが,こういう形で見学するのも素敵ですね。
by 佐々木真樹 (2006-08-11 08:15) 

オハヨース、kotaroです。
バイロイトですか・・・
行きたくないような、行きたくないような、複雑な心境になりますね。
ワグナーですよね・・・バイロイトは。
やっぱり、行くのは止めておこうかな?
ザルツブルグや、ウィーンなら、喜んで行きますが・・・、趣向がまともに見えちゃいましたね、ハハハ。
僕にとっては、バイロイトは長時間ミュージックの印象が強いんです。
『音楽は45分、映画は100分、サッカーは90α分』
これが僕の楽しみですから・・・
ところで、ウィーンフィルの来日は聞きに行くのですか?
コンセルトヘボウの方が、今回の来日公演はおもしろいという噂も聞きますが・・・
あるべりっひさんは、どう思います?
by (2006-08-11 08:48) 

あるべりっひ

はじめまして、佐々木さん。
こんな、形でしか巡礼できないのはちょっとつらいですが、『緑の丘』へ向かって上がって行く途中の『ドキドキ感』、祝祭劇場が目に入ったときの『振るえ』忘れられません。
by あるべりっひ (2006-08-11 09:10) 

あるべりっひ

kotaroさん おはよ~!!です。
ワーグナーは、私には『たばこ』みたいなものだと思います。(やめたいけどやめられない!!)それと、この特殊な構造の『聖堂』にとっても興味があります。
私はあまり『時間軸』は気にしないほうです。好きな演奏、好きな映画、素晴らしい試合は、『長く感じません』。合わない演奏、嫌いな映画、つまらない試合の『10分』は耐えられません。

ウィーンフィルとコンセルトヘボウですか?む~・・・。どちらかと言われれば、コンセルトヘボウです。オーケストラより指揮者で選んでしまいますし私は。それに私は断固オーケストラのネームに気持ちは負けません。(笑)それより何よりアーノンクールの演奏はどうも苦手です、はい。(私も趣向がばれましたか?)
最近実演を聞きたい演奏家は、1:パッパーノ、2:ウェザーメスト、3:ティーレマン、ですか。
by あるべりっひ (2006-08-11 09:34) 

euridice

あるべりっひ さん、こんばんは
久しぶりにいらしてくださり、ありがとうございます。

>好きな演奏、好きな映画、素晴らしい試合は、『長く感じません』
私も同じです。
by euridice (2006-08-11 21:48) 

mozart1889

あるべりっひさん、おはようございます。
mozart1889と申します。拙ブログにコメントを有難うございました。

バイロイト巡礼、羨ましいです。オーケストラボックスのこと、あるべりっひさんのこのエントリーでよく分かりました。ボクの友人は、ここでリングを聴いていまして、いつも自慢されます。エエですね。
ホンマに羨ましいです。
久しぶりに指環のハイライトを聴きました。世評よろしくないヤノフスキ盤ですが、タンノイで聴くとやはりイイです。我が家のはターンベリーですが(しかも置いてあるだけで、セッティングなどメチャクチャなんですが(^^ゞ)
またお邪魔します。よろしくお願いします。
by mozart1889 (2006-08-20 05:13) 

pfaelzerwein

あるべりっひさん、初めからコメントをしようと思っていたことを改めて書かせて頂きます。

仰るように、客席で一度ミックスされた音響を体験されるのも良いですが、フィリップスの実況録音シリーズなどはかなり実態を伝えていると思います。録音を聞くときは、管弦楽の分解能を上げようとして音量を上げてはいけません。ステレオ分離も拡げ過ぎていたら修正した方が良いでしょう。

このピット構造の目的は、後にも先にも、声が通り言葉が理解出来ることが最優先です。同時に視覚的に舞台に聴衆が吸い込まれることが図られています。通路の無い会場も目的に即しています。

私なども通常はピットを覗いてヴァイオリンのピアニッシモや弦楽の漣に聞き耳を立てるのが好きですが、ここでは全て忘れなければいけません。声と管弦楽が一体化するのを楽しまなければいけません。

作曲家の意図したものは、決して効果を狙って書いた俗な音楽部分を聞かせることでは無いのが理解出来ます。
by pfaelzerwein (2006-08-24 15:09) 

あるべりっひ

pfaelzerwein さん コメントありがとうございます。

ワーグナーの音楽はどうしてもオーケストラへ耳が行きがちです。また、編成も大きく声に被ってきます。
雄大なオーケストラ再生は、この劇場のまた作曲家の意図から外れていくのですね。確かに作曲者は、子音の多いドイツ語の声を全客席へ明瞭に伝えるため、またドラマと観客を一体化させるために、オーケストラへ覆いを付けた趣旨書き残しております。
フィリップスのライブシリーズ、声を中心に改めて聴きなおしてみます。オーケストラは混沌としていても、声が明瞭に聞こえる自分なりの位置を探して見ます。
本文には書きませんでしたが、舞台上へも通してもらいました。私が訪ねた時の舞台は、客先方向へ向かい傾斜になっていることに驚きましたが、考えるにこのようにしなければ、舞台奥から指揮者を見ることはできないと納得したものです。
by あるべりっひ (2006-08-24 23:24) 

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