カフェの音楽

私は、イタリアへ行ったことがありません。しかしイタリア・ヴェネチアのオープンカフェで聴く音楽に憧れがあります。
サン・マルコ広場に多くのカフェがあると聞きます。その一つ『Quadri』での音楽風景をそのまま録音したCDを知ったのは、ずいぶん前になります。しばらくし入手し愛聴盤になっています。愛聴盤と言っても『コーヒー』を飲む時おもむろに取り出し、BGMとして流しているだけですが、いくつかの曲には思わず聞き入ってしまいます。
まるで美術誌のようなインナーブックレット、全て１７７５年開店『Quadri』内にある絵画が掲載されているのも魅力です。１９２５年に没したジュゼッペ・ボンガ氏作の作品とのことです。
演奏は、５人編成（ヴァイオリン：２，アコーディオン：１，ピアノ：１，ダブルベース：１）で多彩なレパートリーを披露してくれます。

つかみは、波の音のかなたから徐々にサンマルコ広場の音（雑音？？）か聞こえてきて、多くの音楽、そして最近大ヒット（？）した、『だれも寝てはならむのか（トゥーランドット）』へクローズアップする音の演出。いかにも、現場で録音してるぞ！！と言わんばかりです。曲が終わっても、隣のカフェからの音楽がかぶってきます。３曲目『帰れソレントへ』は、も～大見得きって演奏してます。５曲目『ハンガリー舞曲第五番』（ハンガリー舞曲中１番有名）は遊び心満載！！７曲目『ピオヴェ（チャオ・チャオ・バンビーノ）』なんとも華やかで「さー踊ってくれ」とゆうような楽しい曲。８曲目『ラ・ボエーム』（私の大好きなOPERA）から『小さな冷たい手』，『私の名はミミ』、『ムゼッタのワルツ（以前TVで見た、まるでマリリン・モンローの様なメルセドの姿が思い描かれます。）』と有名曲を続けて組曲として演奏。そして、『リベラルタンゴ』、『マイ・ウェイ』とインターナショナルな曲を交えながら、私自身が思い込んでいるイタリア色全開で進んで行きます。最後は『アノニモ・ヴェネチアーノ』でしっかり締めてます。
そして、おまけ（？）サンマルコ寺院の『鐘の音』しっかり収録！！
日本の自宅に居ても、イタリアンカフェを十分満喫しています。
このCDに記されているソネットを・・・。

　　　　ついあの褐色の夜、橋のたもとに立った。
　　　　遥か彼方から漏れ聞こえる歌声。
　　　　揺れる水面に、金滴がこぼれ落ちる。
　　　　ゴンドラ、燈、音楽に酔い・・・
　　　　黄昏の中に溶けていく。

コメント 2

　イタリアン・カフェ・ＢＧＭ
おもしろいですねイタリア人は。・・・こういう発想がでてくることが。

　しかもミキシングで現地の音を入れているとか・・・
　それはそこにしか存在しない音、ということですよね？。
　そこにしかない音＝日本の音楽界が失ったもの？
特に、最近のＰＯＰソングは、全部コンピュータの中で処理されてしまうから、音色が同じになる傾向が強すぎます。
みんな同じ曲に聞こえるのは、歌手が悪いのではなく、プロデュースする側に問題があるように思えます。
　個人的になりますが、あるレーベルに関しては、音源まで推測できてしまい、詳しい友人に答え合わせをしてもらうことも、しばしば。
素人の僕にすらバレテしまう状況を、プロデューサーなる職種の方々はどう考えているのかしら？　売れればそれでいいのか？　かも《笑》。
　録音、レコードを考えると、こういう問題に直面してしまい、つい語気が荒くなってしまい、すいません。
　でも、視覚情報が最優先される現在ですが、他の感覚に対するバランスが重要なはずです。

　このＣＤを作ったプロデューサーは、街頭音を収録することで、逆説的に、視覚を呼び起こしているのでしょうね。
　ヴェネチアの音＝その風景。
見たことのないイメージを喚起する音をミックスしたレコード。
明日、買ってきて、聞いてみます。

またまた。
　
by (2006-08-03 03:12) 

　kotaroさん　こんばんは。
サンマルコ広場へ行ったことがない為、どこまで演出的に音を足しているか・・・。
バンド（と呼んで言いと思います。）をメインに、『Quadri』の客席、その外のほかのカフェへマイクが向けられているようです。

ちなみに、レーベルは『WINTER & WINTER』。ドイツのレーベルです。
他にも楽しいCDが多くあります。同じような編成で『ワーグナー』や『マーラー』のCDもあります。特に『ワーグナー』は、このCDと姉妹盤的要素が強く、同じ『サンマルコ広場』でのライブ録音でお互いにバックで、音楽がかぶりあってます。
by あるべりっひ (2006-08-03 22:43)