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世紀末オペラ [クラシック]

世紀末的オペラの代表作としてよく取り上げられるのが、R・シュトラウスの『サロメ』。エキゾティックな雰囲気を醸し出し、官能的音楽の代表作と思います。この作品と時を同じくして発表された対極的な作品と思われるのが、F・ディーリアスの『村のロメオとジュリエット』ではないでしょうか。
前奏曲の『朝』を表現するなんともすがすがしい音楽に始まり、二人の若い男女が認められぬ愛のため河へ・・・、なんとのはかない幕切れ!ここには官能的音楽の変わりに、心が引き裂かれそうになるほどの、はかなく悲しい音楽が詰め込まれています。ジャポニズム全盛のヨーロッパにおける『近松物』でしょうか。

この全曲盤は、間奏曲である『楽園への道』しか知らなかった私に傑作の全容を教えてくれました。特に、終盤『祭り』の場面の華やかな音楽から若い二人が船に乗り旅発つ間奏曲『楽園への道』への圧倒的な雰囲気。発売当時もっと雰囲気のある間奏曲の演奏が或る趣旨の解説を読み、いろいろ探しましたがこの全曲盤における『間奏曲』の美しさに勝る演奏の今だ巡り会えずにいます。
M・デイヴィス指揮によるこの録音は、曲にぴったりの大変雰囲気の或る録音でもあります。ディープでワイドな、この当時の英EMIでも優秀な部類に入るのではないかと思います。名プロデューサー:クリストファー・ビショップ。名エンジニア:クリストファー・パーカー。黄金コンビによる録音です。


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