帝王 『英雄の生涯』

Mimesis SR PowerがJBLの相方になって以降、この愛人システムを聴く時間が多いような・・・。たぶん愛妻システムのMarantz８B＋TANNOYが『怒っている』ような・・・、後ろめたい気持ちが大いにあるのですが『すっきり爽やかサウンド』が何とも気持ちがいいのでついつい使っています。
今日は、愛人システムで『クラシック』を鳴らしてみました。このLPを聴く直前まで『ユーミン』のアルバム（LP）をとっかえひっかえ聴いていました。そう、普段はほとんどクラシックを聴かないシステムです。

　　　　　　　
帝王カラヤン＆ベルリンPO、バイオリンはM・シュバルベ。１９７４年５月２３～２８日ベルリン・フィルハーモニーでの録音。M・グロツのプロデュース、EMI録音のエンジニアはいつものW・ギューリッヒ。

発売当時、『革ジャン』姿でフィルハーモニー（と思います）で撮影されたジャケットに『驚き』ました。このジャンルのジャケットでは今までにないような・・・。帝王が自身の『生涯』を音楽で表現したと言われた『レコード』です。
冒頭ゆったりと奏でられる『英雄』の主題、堂々と威厳に満ちた圧倒的な演奏です。音楽を完全に自身と重ね合わせている・・・感じです。
続く管楽器によるアンサンブルも一寸の隙もなく、大変美しい響きで表現され『敵』を思わせるどころか自身の別の部分を表現しているように感じてしまいます。
バイオリン独奏もカラヤンの分身の如く、どこまでも美しく響きます。そして何よりも一つ一つの音が、音の積み重ねが限界まで『美しい』。この曲こんなに綺麗な曲だったかと思うほどです。
トランペットが鳴り渡る箇所になっても、金管群が突出することなく『全体の中の個』ハーモニーの中で響きます。大変迫力あるこの部分も、圧倒的な響きの中で『美感』は失われていません。R・シュトラウスの過去のテーマが次々現れるシーン、１つ１つを愛しむように奏で行きこれで終るとは思えない、『これからも先があるぞ』と思わせる終幕を迎えます。

混沌とした『録音』（響きが多いから）と感じていたこのLPも、今聴くと１つ１つの楽器がハッキリ＆クッキリと見通しがよく、クリアーに響きます。定位も非常にハッキリしています。『７０年代のカラヤン』堂々とした演奏、脱帽です。
愛妻システムでもう一度・・・・。

コメント 5

おはようございます。
いやぁ、これは懐かしいＬＰです。
革ジャンでＬＰジャケットに登場した指揮者は、後にも先にもカラヤンくらいじゃないですか。
演奏も、カラヤン臭ムンムンのものすごいものでした。
カラヤンこそ「英雄」。自分の生涯を語るような演奏でしたが、今も燦然と輝く名盤と思います。
Ｒ・シュトラウスは、カラヤンにもっともふさわしい作曲家かもしれませんね。
by mozart1889 (2007-11-13 07:52) 

こんにちは、ITSUNIREと申します。検索していて辿り着きました。
『愛人システム』のJBLは4311をお使いなのですか？私は導入してからまだクラシックは聴いたことがないので、チャレンジしてみようと思います。
取り急ぎのご挨拶にて失礼いたします。。。
by ITSUNIRE (2007-11-13 19:56) 

mozart1889 さん　こんばんは。
これほど、カラヤンを意識する『作品』『演奏』も少ないと思います。
後年のDGGへの録音より、『カラヤンらしい』のがこのEMI盤だと思います。
R・シュトラウスとの相性は抜群ですね、『ばらの騎士』（新旧両盤）『サロメ』のオペラをはじめ、７０年代に録音された録音はどれも『カラヤン色』満載です。
by あるべりっひ (2007-11-13 23:09) 

ITSUNIRE さん、はじめまして。

コメントありがとうございます。
４３１１Aとの付き合いは、本当に長いです。素晴らしいスピーカーだと思います。今流の磨かれた美しさではなく、音楽を聞かせてくれるスピーカーだと思っています。
by あるべりっひ (2007-11-13 23:12) 

先日は拙ブログにご訪問頂きまして恐縮です。

あるべりっひさんのサイトを拝見していたところ、レビンソンのML-1をお持ちとのことで、これで4311を鳴らすというのは、贅沢というか、涎が出てきそうな組み合わせですね。

パワーは何になるのでしょうか？
by ITSUNIRE (2007-11-16 19:23)