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カイルベルト Ⅰ [クラシック]

CDの発売に先立ち、『ラインの黄金』を聴きました。

『ジークフリート』『ヴァルキューレ』とCDで視聴はしておりましたが、レコードではどのような音が出てくるのか・・・?
低弦が出た瞬間、部屋の底が鳴り出したような錯覚に陥りました。奈落から音が出てくる感覚です。徐々にビオラ、バイオリンと乗ってきますが、あくまで下から音が出てくる感じです。ラインの乙女たちはオーケストラの上で歌ってくれます。全曲を通し歌手は舞台の上、オーケストラは下、凄いの一言です。ですから、歌手は大変聴きやすく言葉が明瞭です。後のスタジオ録音の様にオーケストラが歌手を覆い隠すことはありません。
緊張感が全体を覆いスリリングな演奏です。かと言って柔軟性も兼ね備えています。ワーグナー作品の中では短い作品の一つですが、時間をまったく感じさせない迫力はなんともいえません。
ナイトリンガーの『アルベリッヒ』、彼がこの作品の主役でしょう。ラインの乙女とのやり取り、ニーベルハイムでの強権発動、神々の人質になり弱気な部分を見せたかと思うと、指輪に呪いを掛ける行の迫力!圧巻です。
ホッターの『ヴォータン』威厳に満ちた歌唱です。『契約』を踏み倒そうと算段する、ときにコッケティシュなその部分も威厳でいかにも正当化されてしまいそうな迫力です。
なんといっても、歌手がみな大変素晴らしいく感動的です。一見ワーグナーはオーケストラ中心にと思いがちですが、この演奏を聴くとやはり『舞台劇』『オペラ』であることを認識します。この素晴らしい演奏を支えているのが、指揮者カイルベルトです。同年録音の『さまよえるオランダ人』もそうでしたが、しっかり歌手を引き立てていますが、前面に出るところはここぞとばかりにオーケストラを鳴らしきる。カペルマイスターの真骨頂です。
第三場ニーベルハイムでは、全体にホワイトノイズが入っており古い録音の宿命かと思いましたが、どうもヴィーラントの演出のようです。ちょっと・・・、音のみでこの名演を聞く場合気になります。

早く続きを聞きたい!!


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mozart1889

あるべりっひさん、おはようございます。
いつもお世話になります。拙ブログにコメントを有難うございます。

カイルベルトのLP、スゴイんですね。
あるべりっひさんの仰る「ラインの乙女たちはオーケストラの上で歌ってくれます。全曲を通し歌手は舞台の上、オーケストラは下、凄いの一言です。」・・・・を読んで、是非聴いてみたくなりました。
音場が自然なんでしょうね。往年のバイロイトの音が聴けるんでしょうね。
このエントリー、楽しみにしています。
by mozart1889 (2006-09-10 05:48) 

あるべりっひ

mozart1889 さん コメントありがとうございます。

かの、E・クライバーの『フィガロの結婚』とほぼ同じ機器による録音です。ライブ録音の一発勝負の為いろいろ不具合はありますが、驚くほど鮮明な録音です。この当時の歌手の凄さを痛感します。
by あるべりっひ (2006-09-10 21:45) 

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